この記事は、先に以下の記事を読んでおくとより楽しめるかと思います。
・ハテゲー特集 No.5『ファミコン リトルリーグ』
・ハテゲー特集 No.6『リトルリーグ プロデューサー田中鶴米氏インタビュー』
ゲーム産業に殴り込みをかけた二条建設であったが
『ファミコン リトルリーグ』の評価は惨憺たるものであった。
売り上げはそこそこではあったが、二条建設が生き残る為には
もっと面白いゲームを作ってお金を稼がなくてはならない。
その様に感じていた社員も少なからずいたのである。
しかし、二条建設でゲームを作る事ができるのは
先にあげた『ファミコン リトルリーグ』を制作した田中鶴米だけであった。
ゲームの評価はどうあれ
二条建設を立て直した立役者である事には変わりなく
田中の二条建設内での発言力はあまりにも大きかった。
彼自身はリトルリーグの続編に開発費を回す必要があると説き
別ジャンルを模索する社長グループとの間に意見の食い違いが生じたほどであった。
二条建設社長は、最終的に話が平行線に辿らないことから
リトルリーグの続編にGOサインを出す一方で
赤字で収益が見込めなくなった旧建設チームの
およそ半分をゲームソフトの製作業務に参入させた。
それが田中とは開発を別としたチーム『ニジョット』である。
ニジョットは、ゼロからのスタートではあったが
ゲームを制作する為の知識と人材を外部からも集め
約2ヵ月後には一本のゲームを完成させるに至った。
それが今日紹介するアドベンチャーゲーム。
『生き残れ!応仁の乱〜お武家様に物申すだぁ〜』である。
解説:
『生き残れ!応仁の乱〜お武家様に物申すだぁ〜』
1989年の作品。
ファミコン用ソフト。
二条建設ゲーム開発部門の一つであるニジョット制作のアドベンチャーゲーム第一弾。
アドベンチャーではあるもののシミュレーション要素も兼ね備えている。
今までの歴史ゲームでは
歴史に名を残した偉人などにスポットを当てたものが多かったが
このゲームでは、ごんさくと言う農民を主人公として物語が進んでいく。
応仁の乱時に存在した守護大名や将軍家などが登場し
実際の歴史を追体験しながら、応仁の乱を生き残るのがゲームの目的である。
説明書より:
時は1467年。
管領職を罷免された畠山政長と
管領畠山家の家督を狙う畠山義就との間に起こった御霊の森の戦いは
畠山家の家督争いと言う意味合いだけでは終わらなかった。
政長が頼りにする山名宗全、義就を支援する細川勝元の対立も激化し
各地の守護大名同士の対立と家督争いも相まって
日本を分断した応仁の乱が勃発するに至るのである。
あなたは、そんな戦乱の時代を生きる1人の農民(ごんさく)になって
この応仁の乱を見事生き残らなければなりません。
各地では守護大名同士の争いが激化し
ただ生きていくだけでも相当の苦労が付きまとうことでしょう。
勿論、この戦乱に参加することも可能です。
あなた自身で考え、そしてこの戦乱に終止符をうってください。
それが、あなたに課せられた使命なのですから。
内容:
応仁の乱という壮大な戦乱をテーマにした今作ではあるが
主人公が操作できるのは、百姓のごんさくのみ。
部隊を率いる事もできなければ、国を統治するなんて事もできない。
では、プレイヤーは何ができるのか?
答えは至極簡単で、合戦が起こっている地域や
飢饉などの災害が起こっている地域からただひたすら逃げるのである。
このゲームには、地域安全度と言う概念があって
危険レベルに達している地域に留まっていると
合戦や災害に巻き込まれて痛い目を見るので、それを回避していく必要がある。
ただ、ひたすら逃げるとは言っても
地域によっては通行の許可を貰わないといけなかったりするので
一筋縄ではいかないのもまた事実。
その地域を収める武家のご機嫌をとる為に
物資やお金を献上したり、はたまた仲良くなる必要もある。
資金の調達や人脈の確保などと言った要素も必要になってくるのだ。
その為、それらに時間をとられていると
その地域から逃げたくても逃げることができなくなってしまう。
勿論、このゲームは逃げるだけと言うゲームではない。
逃げのびた地域では、数々の問題を抱えている農民達や
西軍、東軍、はては一揆勢に至るまで、プレイヤーに協力を求めてくる事がある。
基本、これら要請は無視しても一向に構わないのだが
場合によっては東軍、西軍の足軽に取り立てられたり
一揆勢のリーダーに祭り上げられたりする。
また要請をされなくても、自ら各勢力に味方する事も可能なので
逃げると言う基本の目的が飽きたら
応仁の乱という戦乱に自ら身を投じてみるのもまた面白いかもしれない。
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このゲームの特徴であるお武家様に物申すシーン。
それは足利将軍だって例外じゃない。
感想:
地域安全度と言う概念がホントわずらわしい!
新しい地域まで逃げる事ができたかと思えば
そこは既に危険レベルなので、すぐにまた逃げなければならずとにかくウザイです!
なので、どこかの勢力に味方したいんだけど
戦乱に参加すると言う条件が不条理なのでさらにウザイ!
しかし、だからと言って、ただ逃げるだけではホントすぐ飽きるので
ゲームをある程度楽しむには、どこかの勢力に味方する必要があると思います。
また、このゲームは、何をトチ狂ったか定価13,800円でした。
某歴史シミュレーションに対抗したのでしょうか?
だったら値段だけではなく、中身もちゃんと対抗できるものを作って欲しかったです。
ホントに……。
情報:
ゲームクリア時に出現する25桁の番号を書いて二条建設に送ると
ごんさくをモチーフとしたトランプが抽選で貰えました。
二条建設さんっ!定価高すぎますってwww
しかし・・奇抜な内容で体験してみたくなったかも・・いや・・。。。
今後、このシリーズ楽しみにしていますねw
今回は歴史物アドベンチャー、色々と考えてますね〜。
独創的な内容でキラリと光るものがありますが、まだまだ原石のまま。
磨けばもっと光っていた・・・かもしれませんよ。
これも、二条建設の派閥の影響なんでしょうか。
・・・にしても、ゲームだけじゃなくて、裏設定までよく思い付きますね(笑)
歴史シミュレーションゲーム=高い物。
と言う感覚をそのまま二条建設でも試してみました。
でも今更ながらに、ファミコンとほぼ同じぐらいの値段はさすがに高かったかなと反省しておりますw
>sergeantさん
独創的な発想をすれば、オリジナルティはあるかもしれませんが、そこで満足しちゃっているのがこの会社の悪いところですw
果たして今後、原石から光る宝石となり得るのかどうか、乞うご期待。
>クリームころすけさん
派閥は少しは関係あるかもしれませんね。
元々、子供向けにすれば売れると言う発想がリトルリーグの根底にありますし。
ただ、正直言うと、その辺りは全く考えていませんでしたw
妄想大好きな人間ですので、こう言った裏設定を考えている時が至福のひと時だったりしますw
一万三千円は高すぎですが(笑)
足利義政が、いやにはまりました(笑)
いや、クソゲーですw
価値としては、1000円も無いと思いますよ。
もうちっと私に想像力があれば、面白くなるかもしれませんが……。