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2007年01月02日

No.19 ファミコン『アイスクライマー』レビュー


「新しいゲーム買ったから、遊ぼうよ!」

今でもたまに会うことのある、友人のH君。
とてつもなく真面目で、とてつもなく野球少年だった彼でも
このゲームをプレイする時だけは冷静さを保てなかったようです。
そう。
H君が新しく購入したゲームこそが、『アイスクライマー』だった訳です。
ちなみに新しいゲームと言っても、新作のゲームと言う意味ではなく
新しく手に入れたゲームの事を指しています。

00034.gif

発売から既に何年か経過してた上に
周りでアイスクライマーをプレイしている人達がいなかったので
このゲームがどういう内容なのかと言う事はこの時は知りませんでした。

H君はそんな私に、

「2人プレイでできるから、協力してクリアしていこうよ」

と、やさしい言葉をかけてくれました。
もちろん私はその言葉に頷き、ゲームをプレイしたのです。

勿論、操作方法とかも分かりません。
ゲームをプレイしながら覚えればいいや的な、軽い気持ちでゲームをスタートさせます。

しかし、ものの5分もしないうちに私だけがゲームオーバー。

――何故!?

と、疑問を感じずにはいられません。
H君も、

「あれ?もう死んだの?おかしいな〜。そんなに難しくは無いんだけどね」

と、不思議そうにしていました。
で、この後もう一回プレイをしていく事になるのですが
何故私が即効でゲームオーバーになったかと言う理由がわかった訳です。

まずこのゲームは、縦スクロール型のアクションゲームな訳ですが
2人で協力してプレイすることになった場合、どちらか一方が早く先に進みすぎてしまうと
画面が上へ上へと移行するので、まだ下の方でウロウロしているもう一方のプレイヤーは
画面外ということで死んでしまうのです。
すぐに復活しますが、もう一方のプレイヤーがそれを無視してさらに進めると
また死ぬという悪循環が巡ってきて、それで気付いたらゲームオーバーと言うことに……。
だから、協力プレイをする場合、常に一緒に行動をしなければならないのです。

しかし、頭では分かっていてもそれを行動に移せるかどうかということはまた別な話でして
結局、協力プレイとは名ばかりの殺し合いが始まってしまう訳です。

00034s2.gif

「ちょっと待ってて!今上るから」
「早くしてくれよ」

と、最初はこんな感じの会話だったものがいつの間にか……。

「おい!お前早いって言ってんだろうが!!」

「はぁ?お前が遅いんだろうが!!とっとと来いよ!」

てな感じに、やればやるほど険悪ムードになっていく訳です。
もちろん今では、アイスクライマーと言うゲームがどういう物かを良く知っているので
トークのネタに最適なのですが、当時のちびっ子たる私とH君がそんな事を知るはずもなく
最後にはいつも喧嘩して、遊びを終えたことが多々ありました。

しかし、多々あったと言うことは、何回もこのゲームをプレイしたんですよね。
喧嘩して次の日には仲直りして、で、また遊ぶ。

「今度は協力してやろう!」

と、プレイする前には、必ずこういうような事を2人とも言うのですが、結局最後には、

「お前死ね!!」

「うっせーよタコが!!」

てな感じになる訳です。
それでもこのゲームをしばらくの間2人でずっとやっていたことから
面白いゲームであった事は間違いないんですけどね……。
それにいつの間にか、2人で遊ぶ時には協力ではなく、
対戦と言う枠組みでプレイをしようとする暗黙のルール
が芽生えた事から、喧嘩もそれ程することはなくなりました。

そう、つまり協力プレイをしても結局喧嘩になるんだったら
最初から対戦だと思ってプレイすれば全然険悪な雰囲気にはならないと言うことです。
ちびっ子ながらに、逆転の発想をした我々には拍手ですヨ!

でも結局、協力しようが対戦しようが
お互いを思いやる気持ちに欠けすぎていた我々が2面を見たことはなかったのでした……。


『アイスクライマー』評価:☆☆☆☆
発売・任天堂
ジャンル・アクション
発売日・1985年1月30日
定価・3,800(後に4,500)


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posted by 二条ジョウ at 02:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ファミコン レビュー | 更新情報をチェックする
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