ゲーム雑誌の特集記事や関連グッズの販売、それにラジオや声優ユニットによる
ライブやイベント活動などといった様々な販売戦略が展開された事により、
発売前から一大ブームを巻き起こした、このセンチメンタルグラフティ。
そのあまりの人気、前評判の高さから、
プロモーションディスクとして発売された限定販売の
『センチメンタルグラフティ ファーストウィンドウ』は
限定生産数を遥かに越える予約が殺到し、プレミア商品となったほどであります。
しかし、ユーザーの期待値は最高潮まで高まったものの
本作であるセンチメンタルグラフティは、
延期を繰り返しなかなか発売がされませんでした。
また、小出しされていたゲーム本編の中身が明らかになるにしたがって、
ゲームの出来自体に不安を感じ始めたユーザーも少なからず存在していたようです。
そんな人気がピークを迎え、期待と不安が入り乱れる中、
当初の発売予定日からおよそ半年ほど遅れる形で発売された本作。
そのゲーム内容は、誇大広告だったのか否か、
今日は、センチメンタルグラフティの中身に迫ります!

暗黒太極拳や死霊の盆踊りとかで有名なゲーム
センチメンタルグラフティはやった事が無くても、
このゲームのオープニングはどこかで見て知っているかもしれない。
そう、あの暗黒太極拳とか、暗黒舞踏(祭)とか、
死霊の盆踊りだのと評されるオープニングです!
ヒロインたちが光を放ちながら、
暗闇の中で踊ったり泳いだりする意味の分からないアレ。
時代を先取りしすぎていて当時は理解できなかった諸兄も多かった事かと思いますが、
20年が経った今でも理解できないぐらいには前衛的です。

こんな感じで光りながらなんかしてます。
そんなオープンニングで有名なセンチメンタルグラフティですが、
ゲームの中身もそんじょそこらのギャルゲーとは全然テイストが違います。
センチメンタルグラフティのストーリー
主人公は、幼い頃から何度も転校を繰り返し、
小・中学校を様々な地で過ごしてきた、現在高校3年生の男子学生。
主人公のもとに『あなたに…あ・い・た・い』という差出人不明の手紙が届いた事で、
これまでの転校先で仲良くなった12人の女の子の誰かが手紙を出したに違いないと判断。
12人の女の子と再会し、手紙の送り主が誰なのかを探しだす、そんなギャルゲーです。
北は北海道から南は九州まで。
日本全国に散らばる12人の女の子と会う為に、
スケジュールを管理しながら、あっちにこっちへと列島を駆け巡ります!
勿論、会って問い詰めてハイ終わりってワケではありません。
そもそも問い詰める事は無く、ずっと自問自答しているだけなので、
高校生活が終わるその日まで、この全国漫遊の旅を続けながら、
12人の女の子と親睦を深めていく事になるのです。
こんな得体の知れない手紙の為に、
高校生活最後の1年を全て費やすなどと正気の沙汰では無いと思いますが、
この主人公は、本気でこの手紙の送り主を探す為に時間とお金の全てを捧げるのです。
何で、せっかく会いに行って手紙の事を聞かないんだよとか、
そもそも電話で聞けよボケって思うかもしれませんが、
私なら、まずこんな手紙が来てもゴミ箱に捨てますね。
だって普通に考えて、誰か分からない奴から
『あなたに…あ・い・た・い』って手紙が届いたら、
本気でホラーもんの怖さですからな。。。
センチメンタルグラフティはこんなゲーム
ぶっちゃけると、手紙の主というのは、ベストエンドを迎えた女の子になります。
ベストエンドを迎える為には、
その対象の女の子の必須イベントを幾つか見なければならず、
またその必須イベント出現の条件が12股前程なので、
間違っても女の子1人だけの純愛プレイではベストエンドは迎えられませんw
本命だけでなく、12人全員とそれなりに仲良くしなければならないわけです。
勿論、最後には本命を選ぶ為、
他の女の子は切り捨てなければなりませんがね。
日本全国に点在する女の子と会うためには、
お金は勿論、スケジュールの管理も重要となってきます。
主人公は学生なので、勿論平日は学校。
平日は学校の他にバイトもこなしているので、
土日祝日と長期休みを含めた休日が女の子と会える日となります。
普通に考えたら過労死するんじゃないかって思うほどの過密スケジュールなので、
休日にバイトを割り当てなければ、基本は女の子と会う為に全国の何処かへ赴きます。
電話でデートの約束を取り付けてから現地へ赴くも良し、
行き当たりばったりのアポ無し訪問をするも良し。
効率が良いのはアポ無しですが、確実なのは電話で約束を取り付ける事です。
でも電話だと、金曜の夜23時に電話をかけたのに、
翌日の10時に北海道に来いとかホザキよる女の子もいるぐらい
無茶振りをかましてくるので注意が必要です。
勿論、東京から北海道までの距離を考慮してくれないので、
遅刻したらクソみたいに怒られますしね!
あと電話は深夜0時以降はかけられません。
非常識だからダメだって事で電話できないのです。
ただ、朝6時からは非常識じゃないみたいなので、バンバンかけられますケド!
まあ、効率の面から言ったら、アポ無しで行動するのが一番かと思います。
何しろ電話は自宅からしかかけられない上に、
電話するのに1人1時間も消費するので、行動が制限されてしまうのです。
おまけに自宅に帰ってくると、
女の子からの留守電を1人1時間使用して(強制)聴かなければいけませんからね!
アポ無し移動だと、必ず会えるわけでもありませんが、
ウロチョロしていれば会う確率も高まるので、問題はありません。
なので推奨はアポ無しです。
何しろ時間は限られているし、12股なんでね。
金曜日に東京を出発し、土曜日に北海道の女の子と会い、
日曜日に青森の女の子と会って帰るというような、
そんなゲスの極みのような行動をしていくわけです。
センチメンタルグラフティに登場するヒロインたち

沢渡 ほのか(さわたり ほのか)
拠点:北海道 特徴:ファザコン&男嫌い
一言:某なんとかゲリオンのアスカっぽい。

安達 妙子(あだち たえこ)
拠点:青森 特徴:家庭的&ソバカス
一言:地味なんだけど、理想の幼馴染って感じ。

永倉 えみる(ながくら えみる)(えみりゅん)
拠点:宮城 特徴:電波&えみりゅん
一言:語尾にりゅん!って付けるちょっと電波が入ってる子。えみりゅんの破壊力はヤバい。

星野 明日香(ほしの あすか)
拠点:神奈川 特徴:アイドル志望のミーハー
一言:神奈川は近いので、遠征した帰りに会いやすいキャラ。でも印象薄い。

保坂 美由紀(ほさか みゆき)
拠点:石川 特徴:浴衣好き&めがねっ娘
一言:呉服屋の看板娘。他のキャラの個性の前になんか霞む。

山本 るりか(やまもと るりか)
拠点:愛知 特徴:好奇心旺盛&嘘が嫌い
一言:さばさばした感じの子。あきら様。

綾崎 若菜(あやさき わかな)
拠点:京都 特徴:おっとりとした性格&お嬢様
一言:いわゆる大和撫子タイプの女の子。

森井 夏穂(もりい かほ)
拠点:大阪 特徴:明るく元気なスポーツ少女
一言:俺の嫁

杉原 真奈美(すぎはら まなみ)
拠点:香川 特徴:病弱&内向的
一言:ちょっち綾崎さんと被るような気がしないでもない印象。

七瀬 優(ななせ ゆう)
拠点:広島 特徴:ミステリアス&一人旅が好き
一言:某エヴァンなにがしに出て来るユイさんに似てる。

松岡 千恵(まつおか ちえ)
拠点:福岡 特徴:勝ち気&バンドのヴォーカル
一言:性格とか雰囲気とか好みの感じなんだけど、残念な部分の方が目立ってしまった。。。

遠藤 晶(えんどう あきら)
拠点:長崎 特徴:高飛車&我がまま
一言:この子もお嬢様キャラだけど、病弱タイプではなく高飛車タイプのお嬢様。
独特のシステムが魅力
女の子に会う為、日本全国を駆け巡るゲームなので、
その移動にかける製作者のこだわりがあるのもこのゲームならではです。
なんと移動手段は全部で8種類。
電車は勿論、飛行機や深夜バス、それにヒッチハイクなどなど。。。
到着までにかかる時間や、料金の設定まで細かくされているので、
自分でスケジュールを組み立てながら、12股ができるように調整する事が可能なのです。
長期休み中ならいざ知らず、土日しか休みが無い時は
月曜日に遅刻しないよう調整しなければなりませんし、限られた休みの中で
うまく土日に2人の女の子と会えるよう計算する事も必要になってくるわけですからね。

移動手段は豊富!
センチなメンタルなのでせつなさ炸裂します
このゲームにはせつなさ度という概念があって、
女の子にあまり会わないでいると、『せつなさ度』が上がります。
最終的に『せつなさ炸裂状態』になってしまうと
その女の子のベストエンドを見る事が出来なくなってしまうのです。
ときめきメモリアルの爆弾と似たようなモノですが、
せつなさ度の場合は、ある程度高めておいてから会うと、
好感度が通常より上がりやすくなるという利点もあるので、
一概に悪いものでもないのです。
せつなさ炸裂をしなければ……。
まあ、せつなさ度が高いと、
女の子から無言電話が頻繁にかかって来るという嫌がらせを受けるので、
その辺が目安でしょうかねw
中学時代に憧れたゲームの一つ
当時は中学生だったので、
ギャルゲーを買うって言うのは、非常に勇気のいる行動でした。
このゲームも雑誌の特集記事で目にする事はあっても、
実際に手に触れる事は無かったですからね……。
ただ当時、雑誌の特集記事かなんかで見たこのゲームの原画が凄い自分の中でヒットして、
雑誌の切り抜きを密かに行っていたのは内緒の話デス。
後に発売された、フレンズ 〜青春の輝き〜も同じ原画家さんが担当していましたが、
こちらも同じ様に雑誌で満足していた口でしたな。
……フレンズの方は、18歳以上推奨のゲームかと思っていた節がありましたがw
当時は、ギャルゲーとかX指定のゲームは、
ゲーム雑誌を見て我慢することの方が多かったのですが、
まあ、全年齢向けの雑誌なのに、エロシーンの写真も使われる事も多かったし、
それだけでもそれなりに満足はできたんですよ。
いやはや、青春ですな。
で、結局センチメンタルグラフティですが、個人的には結構面白かったですね。
どちらかというと、バカゲーとして楽しめたっていう話になるんですが、
単純にそれだけでもなかったかなと。
システムとかも、他のゲームに見られない感じだったので、
新鮮な気持ちでプレイできましたし。
まあ、好きだった原画の絵とゲームのCGが随分かけ離れていた事は、
ちょっと残念だったわけですが、
プレイしたのがわりと後になってからという事もあって、
そこまで気にしたものでも無かったというのが正直な所です。
ただ発売前からの一連の流れを考えた時に、リアルタイムでプレイしていた人は、
そこまで割り切れなかったんじゃないかとは思います。
私もこれをリアルタイムでプレイしていたとしたら、
このゲームに対する感じ方はまた違ったものになっていたんじゃないかなと。
まあ、えみりゅんは、楽しんだ人も割り切れなかった人も、
みんなが大好きなヒロインって事は確実だと思いますが!!
なお次回作のセンチメンタルグラフティ2は、今作の主人公の葬式から始まります!!
今作のヒロイン連中は、涙に打ちひしがれますが、
みんな新しい主人公の前に徐々に心を開いていっちゃうんですなコレが。
今作の主人公、高校三年の青春を棒に振ったのに、色々カワイソウ(´・ω・`)

『センチメンタルグラフティ』評価:☆☆☆
発売・NECインターチャネル
ジャンル・恋愛シミュレーション
発売日・1998年1月22日
定価・7,500
備考・セカンドウィンドウ同梱



記事が気に入ったらクリックお願いします☆やる気に繋がりますデス。
ゲームは、賛否両論だったと思いますが、発売前のあの空気を経験できたのは、今となってはいい思い出かも知れないですね
ただ、えみりゅんは、冗談抜きでNGキャラでした(笑)
クリームころすけさんは、当時の空気を感じていた人の一人だったんですね!
私は、間接的でしたが、やはり体験しているのと体験していないのとでは、その感じ方も違うものですよね。
私もそう思うことが多々あるので。。。
それにしても、えみりゅんはダメでしたかw
センチメンタルグラフィティ、かなり雑誌でこれでもかと言わんばかりに宣伝してたが、当時はときメモの人気をあやかってかなり作品をリリースしてた時期でしたけど、センチは宣伝とPRは良かったが、度々延期を繰り返して、ゲーム本編出たら呆気なく期待外れな作品になってしまいましたね。
何のための発売延期だったのやら…
そういや、えみりゅんの声優さんは確かデジモンアドベンチャーのミミと、プリキュア5のかれん役の声優 前田愛さん(←俳優じゃない方です。)のデビュー作だったようで。
プリキュア5のかれんの中の人が、こんなブッ飛んだキャラをやってたとは。(笑)
お久しぶりです。
センチメンタルグラフティは、事前の宣伝が凄かっただけに、期待ハズレ感も他とは比較できないぐらいだったんでしょうねぇ。
それにしても前田愛さんのデビュー作だったんですよねこの作品。
今でもたまに見かける声優さんですが、えみりゅんの印象がズバぬけているので、もう前田愛さん=えみりゅんって感じですねw
今野宏美さんもこの作品からですが、気づいたのはずっと後のことだったので、知った時はまさかって思いましたw