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2021年07月28日

No.283 Wiiウェア『人生ゲーム』レビュー


正月に家族や親戚が揃って遊ぶゲームの定番ともいえる人生ゲーム。
本家本元のアナログタイプの卓上ゲームとしてだけでなく、
様々な家庭用ゲーム機でも発売され国民に愛されてきました。

それはWiiも例外ではなく、
2007年に発売された『人生ゲームWii』を皮切りに
数々の人生ゲームがWiiで発売されました。

今作は2008年に発売された『人生ゲームWii EX』の機能縮小版として
DL専用のWiiウェアとして配信されたゲームです。
1000円というリーズナブルな価格で配信され、
そして、国民に愛されてきた人生ゲームであるからこそ皆が飛びつき、
Wiiウェアの売り上げランキングでも毎週上位(3週連続1位など)に
君臨する程のゲームでした。

私も上位に食い込んでいた時に目に付いた事で購入したゲームですが、
子供の頃は人生ゲームをよくやっていた(アナログの方はそうでもないけど)ので、
お手軽にそしてリーズナブルに買えるならばと、物は試しと買ってしまったわけです。

勿論、製品版に比べてかなり安価だった事もあって、
Wiiウェア版に製品版並みの期待をしていたわけではありません。
それこそ、ちょこっと遊んで満足できれば
それで良いというぐらいの気持ちでいたぐらいでした。

そう、この時の私は、このゲームに対して何も情報を入れていなかったのです!
……いや、まだ世間では、
それ程騒がれていなかったから目に付かなかったのかもしれませんね。

既に周知の事実ではあると思いますが、このWiiウェア版の人生ゲームは、
俗に、人生ゲームから『人生』と『ゲーム』を排除した『ゲー無』
あるいは『虚無ゲー』と呼ばれています。
その年に発売されたクソゲーを決めるクソゲーオブザイヤーにもノミネートされ、
2009年のKOTYクソゲー四天王と揶揄されていたりもしました。

私がこのゲームを買ったのはそんなクソゲーオブザイヤーで注目される前だったので、
(一部では話題にはなっていたんだろうけど)それに一切気づかなかったわけです。

で、クソゲーオブザイヤーに選ばれたって事は、勿論、これはそういうゲームです。
いやー、まさかの伏兵!

……まあ、私がここで一々取り上げる必要も無いぐらいには有名なゲームなので、
今更感はあるでしょうけど、とりあえず、今日は昔を懐かしみながら、
人生ゲームのWiiウェア版を紹介するぜ!

Wiiウェア 人生ゲーム タイトル画面

人生ゲームWiiはこんなゲームだ!


安価な人生ゲームとはいえ、1000円というとWiiウェアとしては高めな設定です。
いくら製品版並みには期待していないとはいえ、
それなりに遊べるものであるという事は信じて疑ってはおりませんでした。
……そう、ちょこっと遊んで満足できるぐらいのクオリティは
当たり前の様にあると思っていました。

人生ゲームというと、自分の分身たるキャラクターを使って、
もう一つの人生をゲーム上で面白おかしく体験するというのが1つの醍醐味であります。
特にWiiには似顔絵チャンネルで作成できるMiiがあるので、
このゲームにおいても使えて当然ぐらいの気持ちでいたのですが、
Miiが使えないばかりかキャラクターのカスタマイズに加え、
デフォルトキャラクターの名前変更すらできません。
デフォルトのキャラクターの名前が変えられないという事は、
自分ではない赤の他人の人生をゲームでプレイする事になるわけですね……。

しかもこのゲームは、人生がスタートする前(ゲームが始まる前)に職業が決まります
始めに決めた職業が固定となり勿論転職はできません。
そもそも職業の種類も8種類のみ。
スーファミ時代の人生ゲームでも20種類以上あったので、大幅削減です。

まあ、そんなわけで、名前も顔も職業も
最初から決められた他人の人生を歩んでいくわけですが、
そもそもとしてちっちゃいマップをグルグル回るだけでゴールすらないので、
本当に人生を歩んでいるのかすら怪しいレベルなんですけどね。

ゴールが無いという事は、必然的に規定ターンが経つ事で人生が終わる形になります。
勿論、ターン数なんて選べない強制15ターン固定なんですけど、
20分足らずで終わるので、人生的には凄く短いです。
ただし、ゲームそのものがアレなので体感的には長いと感じますが。

せめてイベントが面白ければと思っても、
文章が表示されるだけ(自キャラが動いたりはするけど)。
選択肢もありません。
しかも、お金の増減に関するイベントが殆どで、
結婚や出産、進学や就職など人生に関する様なイベントは皆無です。
しかも種類が少ないので同じイベントを何度も見る始末……。

じゃあ、従来の様にミニゲームとかはあるのかというと勿論無く、
競うゲームであるのに他のプレイヤーをどうこうできる要素もほぼ無いに等しい。
そもそもプレイヤーができる事はリモコンを振ってルーレットを回すか、
存在が空気なカードを使うかぐらいしかやる事が無いのでね……。

そして、この単調なゲームにトドメを指すのがBGMの存在。
1ループ20秒にも満たない単調なBGMが永遠繰り返し流れ続けるので、
ゲーム中は脳が本当に疲れます。
(曲調は悪いわけじゃ無いんだけど……)

あとはグラフィックに関してですが、
グラフィックは個人的にはそこまで気にならなかったかな?
マップは地球儀を模したものなので、めちゃくちゃ見にくいですけど。

このゲームの良い部分を一つあげるなら、バグが無いという所でしょうか。
その点は安心して遊べますね。

Wiiウェア 人生ゲーム ゲーム画面1
最初から用意されたキャラクターと職業を選んで遊ぼう!
他人の人生だが自分の人生はリアルで頑張れ!


Wiiウェア 人生ゲーム ゲーム画面2
人生ゲームといえばイベントを観るのも楽しみの一つ。
……スーファミ版とかPS版とか面白かったなぁ。


Wiiウェア初の配信停止ゲーム


人生ゲームから『人生』と『ゲーム』を排除した『ゲー無』とは良く言ったもので
本当にこのゲームは人生ゲームを名乗っちゃダメなやつです。
1000円といえば安く感じますけど、Wiiウェアで1000円って言ったら、
それこそDLでいうフルプライスですからね。
一定のクオリティーはあって当たり前だし、
それこそ、こんな面白いゲームがこの値段で提供しちゃっても大丈夫なの?
……っていう様なゲームが顔を揃えていたりもする価格帯が1000円ですから。
少なくても体験版未満のゲームが出てきちゃいけないレベルです。

後に、配信停止(Wiiウェア初)したゲームでしたが、
それは新作がでるからという理由だったので、
ゲームの出来どうこうは関係が無かったようです。

その新作自体はそこまで酷い出来では無かったようですが(これに比べて)、
その後にパッケージとして出されたフルプライス版二作は、
さらなる巨悪を含み世に放たれてしまいます……。

これまたネームバリューだけで売れ、被害者が続出してしまったのですが、
まあ、それはまた別のお話。

とにかくこのWiiウェア版人生ゲーム、
当時は売れに売れたゲームだったので、子供とか相当泣きを見たのではないかと。
なけなしの小遣いで買った子供とか、勉強のご褒美に買ってもらった子供だったり……。
それに孫と一緒に遊ぶために買ったおじいちゃんとか、
家族サービスの為に買ったお父さんとか……。
想像すると色々悲しくなってきますね……。


『人生ゲーム』評価:☆
発売・タカラトミー
ジャンル・テーブル
発売日・2009年3月3日
定価・1,000
備考・2010年10月配信停止(Wiiウェア初の配信停止ソフト)


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posted by 二条ジョウ at 23:51 | Comment(0) | その他のゲームレビュー | 更新情報をチェックする
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