2021年12月23日

No.287 ファミコン『おにゃんこTOWN』レビュー


『平安京エイリアン』のシステムを取り入れた
トップビュー方式のアクションゲーム。

プレイヤーは母猫ミルキーを操作し、
犬が徘徊する町に飛び出してしまった子猫のマイケルを探し
無事に家へ連れ帰るのが目的となります。

おにゃんこTOWN タイトル画面

平安京エイリアンのルールだけど……


平安京エイリアンといえば、
穴を掘り、そこに敵を引き寄せて落とし、そして埋める……。
といったシンプルな内容ながらも、一種の戦術性があったゲームです。

このおにゃんこTOWNにもそのシステムが取り入れられ、
時には敵である犬を埋殺して活路を見出す事が求められます。

しかし、このゲームの目的は敵を倒す事ではなく、
マイケルを探して家に連れ帰る事です。
何匹、何十匹といくら穴に落とそうが、それでクリアはできません。
家に連れ帰るまでは当たり前の様に無限湧き……。
しかも、どこにでも落とせるわけでは無く、
町の中にあるマンホールにしか落とせません。
したがって、敵を落として埋める事はあくまで逃げる為の手段であって、
平安京エイリアンの敵を引き寄せ埋殺する“待ち”の姿勢とは
異なるゲーム性と言えます。

……というか、犬はホーミング的に引き寄せられているので、
埋殺に気を取られていると、犬どもの波状攻撃で死ぬリスクの方が高くなります。

マンホール直前で回避する敵もいるので!

とはいえ、プレイヤーより足の速い犬が近づいているのに放置していると
追い付かれて殺されたり、またはいつのまにか集団で襲ってくる場面などもあるので、
臨機応変に対処する事も大事だったりします。

おにゃんこTOWN ゲーム画面1
マンホールは直線状にいれば、遠くからでも開閉が可能。

犬だけじゃない!おにゃんこTOWNに跋扈する敵共


犬は執拗にミルキーを追いかけ、殺しに掛かってくるわけですが、
おにゃんこTOWNにはそれ以外にも恐ろしい敵達がミルキーを待ち受けています。

犬以外では、ヘビ、魚屋のオッサン、車……。
ヘビはそこまでの恐怖対象ではありませんが、
魚屋のオッサンと車は犬に匹敵するレベル。

まず、魚屋のオッサンは、ミルキーが無敵アイテムとなる“魚”を魚屋で拾うと、
ブチ切れて襲い掛かってきます。
お魚くわえたドラ猫を追いかけるサザエさん的な感じですが、
包丁を片手に殺しにかかってくる&マンホールに落とす事ができないので、
犬以上に気を付けないといけない敵ですね。
(追尾能力もパネぇです)

あと車は自分の意志でミルキーに襲い掛かってはきませんが、
道路をバンバン走っているので、これに轢かれると死にます。
ミルキーはジャンプする事もできるので、
車を飛び越えて難を逃れる事も可能ですが、
犬やオッサンは車にぶつかってもヘッチャラなので、理不尽といえば理不尽ですね……。

……ちなみにマイケルもヘッチャラなので、
車も気にせず道路にマイケルが徘徊している事が!!
マイケルを捕まえた状態だとジャンプができなくなるので、
道路で捕まえる際は、特に気をつけたいですね!

おにゃんこTOWN ゲーム画面2
ミルキーはマンホールの開閉以外にもジャンプもできる!
ピンチの時は開閉よりも使い勝手が良いものの、
マイケルを捕まえた状態だとジャンプができなくなる。
(移動速度も落ちます)


おにゃんこTOWN ゲーム画面3
マンホールも無くジャンプもできない!
もうこうなるとどうにもならないのだ。


処理落ち、BGM、猫が見つからない!


このゲームをやっていれば誰でも気づくと思いますが、
BGMがホントキテるんですよねコレ……。
ついこの間レビューした人生ゲームのBGMもアレでしたが、
このゲームのBGMはそれ以上に脳にキマす。
あっちのBGMは単調かつ永久ループで脳の疲れを促進していたわけですが、
こっちはそれに高音のツンざくような不協和音がプラスされさらに脳がヤラれる感じです。

ゲーム的にも処理落ちやチラつきなどが起こりますが、
BGMとの相乗効果で何時間もプレイしていると本当に精神に異常を来す恐れが……。

そんな中、どこにいるか分からない子猫を
無限湧きの犬どもの猛追から逃れつつ捜し回るんですからね。
捜し当てた時は、やっと見つけた事で解放感に包まれますが、
今度はその見つけた子猫のマイケルを家に連れ帰る必要があって、
終始アドレナリンを放出させながらゲームをやっているかの感覚に陥ります。

ゲームのシステムはシンプルながら悪いというわけでも無いのですが、
BGMがとにかくキンキン鳴ってキツいのと、処理落ちやチラつきで疲れるので、
その辺りで個人的にはいただけなかったかなと。
あと、マイケルを捕まえた後は、ジャンプができなくなる上に、
移動速度が落ちるので、四方八方から足の早い犬に追尾されると、
運ゲーにもなってしまうんですよね……。
マンホール以外に対処のしようが無くなるんで。

……まあ、平安京エイリアンが良くできている事が分かるゲームって感じでした。

というか、おにゃんこTOWNとか言うけど、犬ばっかやんけ!!


『おにゃんこTOWN』評価:☆☆
発売・ポニー
ジャンル・アクション
発売日・1985年11月21日
定価・4,900


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posted by 二条ジョウ at 23:41 | Comment(0) | ファミコン レビュー | 更新情報をチェックする
2021年02月27日

No.278 ファミコン ディスクシステム『バレーボール』レビュー


任天堂のスポーツゲームがディスクシステムで再販されたのを皮切りに、
完全新作として登場したファミコン初のバレーボールゲーム。

任天堂の他のスポーツゲームと同様、タイトルは非常にシンプルですが、
同社が発売したこの時期のスポーツゲームとしてはやや操作が複雑であり、
テクニックが色々と要求される奥の深いゲーム性となっております。

ファミコン バレーボール タイトル

対戦が熱いぞ!


ディスクシステム用のゲームでもある本作ですが、
ディスクだろうが何だろうが
任天堂のスポーツゲームはとにかく対戦が熱いです。

特にバレーボールはひと際それが際立っていると感じるのですが、
それは十字キーとボタンの操作で多彩なテクニックが駆使できるからではないでしょうか。

バレーボールの基本であるサーブやレシーブ、
トスにアタックやブロックはAボタンとBボタンで簡単に操作する事ができるのですが、
押した方向や押すタイミング、十字キーとボタンをどう組み合わせるかによっても
それは変わっていきます。
サーブならば高低差や強弱、レシーブやトスならクイックも可能となりますし、
アタックならクロスアタックやフェイントなども可能です。

勿論、それは対戦相手も同様なので、
これらを試合展開中に瞬時に判断し、どう相手が攻めてくるか、
あるいはどう守るのか……、といった読み合いが熱く、
対戦は非常に盛り上がったものでした。

ファミコン バレーボール 試合
対戦モードは盛り上がるものの、
お互いある程度は練習しないとまともな試合にならない。
自分だけ練習して相手を叩き潰すのはフェアじゃないぞ!


ファミコン バレーボール リーグ選択
選べる国は8ヶ国で、男子リーグと女子リーグからなる。
男子リーグは、女子リーグよりボールのスピードが速い。
また一人プレイの際は国によってCPUの強さが異なるぞ!


バレーボールのルールは当時のだぞ!


ゲームは発売当時のルールをもとに作られているので、
今プレイすると多少戸惑ったりもしますが、
よく考えたら私はバレーボールのルールをあまり知らないので関係ありませんでした!

ルール的に何が変わったかはさておき、
ゲームでは15点1セット全5セット
先に3セットを取ったら勝ちっていうルールです。
サーブ権のある時に攻撃を決めると1点獲得。
そうでない場合はサーブ権が相手に移動するのみ。
またサーブがネットに触れると、これまたサーブ権が移動します。

このサーブ権周りのルールが現在とは色々異なっているようですが、
ゲームは上記の様になっており、1セットごとにコートをチェンジし、
5セット目の場合は、どちらかが8点をとった時点でコートがチェンジとなります。

その他、得点が14対14でデュースとなり、
この場合は先に2点の差をつけたチームが1セットを獲得します。

といった感じで当時のルールに準じてゲームが進行していきますが、
実際のバレーボールのルールを完全に再現しているかどうかは不明です。
(管理人がバレーボールに詳しくないので……)

バレーボールに詳しい人がこのゲームをやると戸惑うかもしれませんが、
対戦の際には良いハンデになりそうなので、
初心者はこのゲームのルールだけを叩き込んだら良いと思いますです。

練習してナンボ


任天堂のスポーツゲームの中でも本作は非常に完成されており、
シンプルながらも本格的な試合展開が堪能できるゲームです。

しかし、操作がやや複雑な為か、他のスポーツゲームの様に
初見でも適当にやっていれば楽しめるゲームとはいかないのもまた事実。
対戦が熱いゲームではありますが、
これを友達同士で遊ぶとなると、お互い、ある程度の練習は必要であり、
それなりの力量を持っていないとテクニックを駆使した試合展開自体が起こり得ません。

救いなのはトレーニングモードが搭載されているので、
いくらでも練習ができるという事でしょうか……。

とにもかくにも、もし友達同士で試合するなら、
お互いキッチリ練習して楽しみたいですね。

『バレーボール』評価:☆☆☆☆
発売・任天堂
ジャンル・スポーツ
発売日・1986年7月21日
定価・2,500
備考・ディスクライター書換え版あり


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posted by 二条ジョウ at 19:07 | Comment(0) | ファミコン レビュー | 更新情報をチェックする
2020年07月26日

No.274 ファミコン『川のぬし釣り』レビュー


釣り要素をRPGに絡めた『川のぬし釣りシリーズ』第1作目
ドラクエ風のRPGと釣りの融合という斬新なシステムでファニーゲーム賞を受賞し、
ゲームファンのみならず釣りファンにも支持されたゲームとなっています。

川のぬし釣り タイトル画面

RPGと釣りの融合


一般的RPGの最終目的が大魔王を退治して世の中を平和にする事だとすると、
この釣りがメインのRPGである川のぬし釣りでは
川のぬしを釣り上げ、妹の病を治す事こそがその最終目的となります。

釣りゲーなので釣りに特化したゲームであるのは勿論ですが、
当時の一般的なRPGと同様、村で情報やアイテムを集めたり
外で敵と戦い経験値を貯めてレベルアップなんて要素もあって、
思っていた以上にRPGしているのが、このゲームの特徴といえます。

というより、そういったRPG要素を無視して釣りなんてできないので、
たかが釣りゲーだと思っていると泣きをみます。

川のぬし釣り 会話
普通のRPGみたいに情報集めや依頼などもこなしていくぞ!

狩猟ゲーじゃないんだよ!


外を歩いていると野ウサギやらたぬきやらといった野生動物の襲撃があるわけですが、
それが尋常ならざるレベルで行われる為、
――もしかするとこのゲームは釣りゲーじゃなくて、狩りゲーなのでは?
と勘違いしそうになりますが、このゲームに狩猟要素は無い為、
何も得るものはありません。
しかし得る物は無くても、
釣り場に行く道中にはそういった野生動物共が跋扈しているので、
一般的なRPG同様しっかりと心構えはしたい所です。
……武器とかそういうのは無い世界なんで心構えだけね!

で、そういった野生動物との戦闘は、
ドラクエみたいな戦闘画面で行われるのですが、
この戦闘システムが少々独特でなかなか面白いです(敵そのものが独特だけど)。

斬新な戦闘システム!


戦闘は、『たたかう』のコマンドを選ぶと、
画面上に“白い点”が表示されランダムで動き回ります。
この白い点が敵に攻撃を加えるポイントとなり、
敵の表示位置と重なる所で白い点を止めれば、
ダメージを与える事が可能
となるわけです。
逆にそれ以外の場所はミスになるのと、敵には弱点の箇所もある為、
目押しが得意な人だと戦闘は比較的楽かもしれませんね。

まあ、ランダムで動く上、時間が経つとスピードも速くなるので、
言うほど楽ってわけじゃないかもしれないけど……。
事実、私は戦闘でしょっちゅうくたばっていましたよ!

川のぬし釣り 戦闘画面
狩猟ゲーではないので倒しても肉を得る事はできない。
ただし戦闘をする事で経験値を得てレベルアップする事は勿論可能。
レベルアップをすると体力が増えるので、
遠くの釣り場まで移動するのが楽になっていく。
ちなみに体力の現在値が攻撃力である為、体力には常に注意したい。


釣りゲーだから釣りをしたいんだよ!!


野生動物共の襲撃に恐怖するゲームではありますが、
そういった猛攻をかい潜って釣り場に到達すると、
いよいよお待ちかねの釣りタイムです!!

釣り場は幾つかあって、場所によって釣れる魚も違いますが、
基本的に村を拠点として、その近場の釣り場で魚を釣り、
お金を貯めて新しい道具を買い、
レベルアップも相応に積んだところで
次の村と釣り場へ行くというのが流れとなっています。

ただまあ、遠くの方の野生動物は、
殆ど魔物といっても良いぐらいの凶悪な強さになってくるのと、
釣り自体もキツいわりにはうま味が少なくなってくるので、
お金を稼ぐのは最初の方(けいりゅう)で済ました方が効率が良いです。

そもそもお金は、釣りをしてその釣った魚を売る事で得る事ができるのですが、
レアリティなんて概念は無く、サイズによって値段は決まります。
その為、釣りにくい上にちっこい魚をせこせこ釣るよりも、
釣りやすく、かつサイズも大きい魚がいる最初の方が全然楽なんですよね……。

まあ、そうなると釣りゲーとしてはどうなんよ?って話になりますが、
ここは、釣りゲーを楽しむか、ぬしを釣る事を第一とするかで、
プレイスタイルが分かれる部分かもしれません。

で、釣りですが、基本的に釣りができる場所
(川に面した砂利とか浅瀬の特定ポイント)で、
その釣り場にいる魚に対応したエサを付けて竿を投げ、
泡が出ていれば魚がいるので食いつきウキが沈むまで待ってそのタイミングで釣ります。

そうすると画面が変わり自分と魚との1対1のバトルが始まるわけです。

野生動物との戦闘がRPG的なバトルなら、
魚とのバトルはいわゆる釣りゲー的なバトルです。
抵抗する魚をタイミングを見計らって自分の方に引き寄せ、
距離を0.0メートルまで引っ張ってくれば勝利っていう寸法のバトル。
まあ、勝利というか、お魚ゲット!っていう形ですね。

慣れてないうちは、最初の釣り場でも手こずりますが、
ここがこのゲームの醍醐味というだけあって、
慣れてバンバン釣れてくると一気に面白くなります。
野生動物共の鬱陶しさも緩和される事でしょう!

……ただまぁキツい魚相手だと、慣れても釣れるまで時間がかかるか、
全く釣れないなんていう事態にもなりそうですが、
実際の釣りもそんなもんだしリアリティはあるんじゃないですかね!?(適当)

川のぬし釣り 釣りバトル
うまく魚を引き寄せゲットしよう!

釣り主体のRPGがあったっていいじゃない


釣りとRPGが融合したこのゲーム。
普段釣りをやらない層の人でも、
わりと手に取りやすかったゲームではないでしょうか?
野生動物の凶悪さや独特のシステムで
純粋に釣りを楽しむゲームとは言えないけれど、
一風変わったRPGとして見ると、
当時としてはかなり斬新だったのではないかなと思います。

釣ってお金を貯めて、戦って経験値を得てレベル上げをして
時には依頼を受け魚を釣り重要アイテムを貰って
最終目標であるぬしを釣る為の布石を打っていく……。

魔王や邪悪な敵という存在はいないし世界を救うわけじゃないけれど、
妹を救う為、ただただ釣りをする……。
そんなゲームだってあったって良いんだという事を
どこか教えてくれた様な気がするゲームでした。

川のぬし釣り ぬしゲット
みごと川のぬしを釣り上げると……。

『川のぬし釣り』評価:☆☆☆☆
発売・パック・イン・ビデオ
ジャンル・ロールプレイング
発売日・1990年8月10日
定価・6,300


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posted by 二条ジョウ at 17:39 | Comment(0) | ファミコン レビュー | 更新情報をチェックする
2020年04月22日

No.272 ファミコン『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』レビュー


国民的RPGの第2弾。
前作から僅か8ヶ月でリリースされた今作はボリュームもスケールもアップし、
世にドラクエブームという現象が起こる火付け役となった作品です。

ドラクエ2 タイトル画面

前作から100年後が舞台のストーリー


今作は、前作主人公の子孫であり三人の勇者ロトの末裔達が
邪教の大神官ハーゴンの野望を打ち砕く為、冒険の旅に出るという物語。

シリーズ初のパーティー制を導入しており、
プレイヤーはロトの末裔である
ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーブルクの王女の三人を操作していきます。
これによって戦闘も前作の1対1のバトルから、
味方と敵パーティーが入り乱れる集団戦が展開されるようになり、
以降の作品における戦闘システムの基礎を築きました。

ただし今作では最初ローレシアの王子の一人旅となるので、
冒険をしていく過程で他の二人を仲間にする必要があります。
これはストーリー的な意味合いだけに止まらず、
RPGにまだ不慣れだったユーザーが前作の一人旅との違いに戸惑わない為の
配慮の意味も込められていたそうですが、
敵は普通に徒党を組んで襲ってくるので、
序盤のザコ敵ですら油断なら無いものとなっているのがなんとも面白いです。

ドラクエ2 ローレシア一人旅
序盤は一人だけど冒険を続けていくと仲間が増えるぞ!

三人のロトの末裔


ローレシアの王子


最初から操作できるローレシアの王子は物理攻撃に特化したキャラです。
呪文が一切使えないというシリーズ全体をみても異端な主人公ですが、
冒険の過程で仲間にできるサマルトリアの王子やムーンブルクの王女が
ローレシアの王子の苦手とする所を補ってくれます。

サマルトリアの王子


サマルトリアの王子は、いわゆる器用貧乏で、
物理も魔法もそつなくこなします。
ただ重い武器は装備ができない、覚える事のできる最強の魔法も調整ミス?で
微妙といった具合になかなかに不遇。
しかし、序盤におけるサポート的な立ち位置や、
後半における蘇生呪文であるザオリクが使える立場という事もあり、
キラりと光る部分があるのもまた事実。
大事に育てていきたいところです。

ムーンブルクの王女


ムーンブルクの王女は、魔法に特化したキャラ。
物理攻撃には一切期待できませんが、グループ攻撃のバギを早くに覚え、
全体攻撃のイオナズン、体力を全回復する事ができるベホマなど、
魔法においてはサマル以上の活躍を見せます。
というか、魔法が強力なので物理攻撃が期待できない事など何も問題にはなりません。
最後に仲間になるキャラですが、成長が晩成型のサマルより
ムーンの方が扱いやすいので頼りにしたい所です。

得意とする部分と苦手とする部分がそれぞれにあり、
三人の役割がしっかり分けられています。
主人公が魔法を使えない事も、RPGに不慣れなプレイヤーに
その役割をゲームを通して分かりやすく教える為の配慮だったのかもしれませんね。

様々な面でグレードアップ!


パーティー制導入による複数人同士の戦闘だけではなく、
様々な面で前作から進化を遂げ、
後のシリーズに影響を与えているのも今作の特徴です。

まず前作では操作キャラのグラフィックが正面方向のみだった為、
会話をする際に東西南北の入力を行う必要がありました。
今作ではこれを無くし、キャラが四方を向ける様になった事で、
会話の際に方角入力の段階を踏む必要がなくなりました。
幾つかのコマンドを廃止して統合した事や
コマンドの入力を必要としない方法に転換した内容もあり、
後のシリーズに受け継がれている基礎部分がここでも完成したわけであります。
またミニゲームの要素(今作では福引き)もこの作品から導入されています。

マップ自体も大幅に広がり、
海に出れる様になった事で移動手段にも登場。
またワープに該当する旅の扉や、塔のダンジョンも加わりました。

その他にも装備品や魔法の種類の増加など枚挙に暇がありません。

ドラクエ2 船
お馴染みの船もドラクエ2から登場!
船を手に入れる事で行ける場所が格段に増えるぞ!


難易度が高い!


今作を語る上で忘れてはならないのは、
ファミコン版のドラクエ2は凄まじく難易度が高いという所も特徴のひとつです。

前作発売から僅か8ヶ月という驚異的なスピードでリリースされ
かつ大ボリュームの内容で発売された今作は
そのボリュームに見合うだけの難易度を誇っています。

特に終盤のロンダルキアへの洞窟(越えた後も含む)はそれを如実に表すかの如く
多くのプレイヤーを絶望の淵へと叩き込みました。
全7階層という巨大なダンジョンに、
これでもかと散りばめられた罠や強力な敵の数々は、
元々のエンカウント率の高さも相まって、かなり苦戦を余儀なくされます。
必然的に主人公以外は回復要員となりますが、
二人とも打たれ弱いため常に死と隣り合わせです。
特に蘇生できるキャラがサマル一人のみなので、
彼が死のうものならばやり直しが必至という有様。
ようやくロンダルキアへの洞窟を越えても
平気で即死攻撃をかます敵が出て来るので、
中間地点の祠に辿り着く前に全滅という事も何度もありました……。
(ちなみに今作のドラクエ2のザオリクは移動中にしか使えず、
しかも復活時のHPは1です。キチぃ〜〜〜〜〜)

このロンダルキアへの洞窟は、
8ヶ月という驚異的なスピードで出された事による
様々な調整不足からきたゆえの難易度といわれていますが、
皮肉にもこの絶望的な難易度を越えた後の達成感は何ともいえないものがあり、
ドラクエ2を人々の脳裏に焼き付ける事に一役買ったといえなくもありません。

また、ロンダルキアへの洞窟のみならず、
純粋な謎解き要素の難しさなども今作は突出しており、
ヒントと気づかないヒントや、完全にノーヒントなど
RPGに慣れ親しんでいなかったプレイヤーには相当キツかった部類ではないかと思います。
(当時のパソコンを主流としたRPG的にはこれが普通だとしても)

個人的にもロンダルキアへの洞窟よりも
むしろアイテム探しとかで四苦八苦してた覚えがあります。

01165s2.gif
ロンダルキアへの洞窟を抜けても気は抜けない。
ボロボロな状態の所に強敵が手ぐすね引いて待っているぞ!


パスワードの存在も語り草


今からプレイするとなると、
ちゃんと調整がされていてドット絵も光るスーファミ版が良いんだろうと思いますが、
それでもファミコン版でしか味わえないこの理不尽ぶりは
やり応えがあってなかなかにキリ捨てる事ができません。
(ファミコン版と後のリメイク作品とでは難易度が雲泥の差)

ただ、このファミコン版のドラクエ2は
まだセーブ機能が搭載されていなかった頃なので、
冒険の再開にはパスワード(復活の呪文)の入力が求められるんですよね。

当時(自分が初プレイした時)はコレが凄まじくダルかったですw
私は既にドラクエ5が世に出ていた頃に
ファミコン版のドラクエ2をプレイした口で、
セーブがあって当たり前で育った人間です。
(初プレイのドラクエは3だったけど)。

2の前にはドラクエ1をプレイしていましたが、
さすがに2のボリュームレベルになると
このパスワードシステムの入力が相当負担でしたね……。
(ドラクエ1は20文字、ドラクエ2は52文字)

濁音と半濁音を間違える事もしばしばあって、
やり直しなんて事も何度もありました。
さすがに私はそういう思いはもうしたくないですけど、
ドラクエ2を語る上ではこのパスワード……もとい、復活の呪文も
良き思い出の1つとなっているんじゃないでしょうか。

ロンダルキア、謎解き、パスワード、この三大苦(悦)が
個人的には印象深い作品ですが、
勿論それだけではなくて、キラりと光る名作であるのもまた事実。
BGMに関しては触れませんでしたが、ドラクエ2のBGMを聴きたさに
何年かに1度はやりたくなるドラクエシリーズの1つでもあります。

あっ、あともう一つ印象深い事がありましたわ。
ラスボスがベホマ(完全回復)を使ってくるっていうね!!

『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』評価:☆☆☆☆☆
発売・エニックス
ジャンル・ロールプレイング
発売日・1987年1月26日
定価・5,500


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posted by 二条ジョウ at 21:17 | Comment(0) | ファミコン レビュー | 更新情報をチェックする
2019年07月22日

No.269 ファミコン『がんばれゴエモン!からくり道中』レビュー


コナミの長寿シリーズであるゴエモンシリーズ家庭用第1作目の作品。
ファミコン初の2メガビット搭載ROMのゲームでもあります。

がんばれゴエモン タイトル画面

諸国の悪大名を懲らしめる義賊ゴエモンの世直し旅


がんばれゴエモン ゲーム画面

大ボリュームなステージ数!


世直し旅という事で、
肥後国から江戸国までの8か国全104ステージを攻略していく……、
という大ボリューム!!

ただゲームは13ステージを1セットとした周回制なので、
1つの国をクリアしたら、また同じ内容のステージを8回繰り返して
エンディングを目指していくんですけどね。
違いは周回毎の大名のセリフなどが若干変わるぐらいなので
エンディングまでは相当根気が必要なゲームといえます。

がんばれゴエモンはこんなゲームだ!


ゲームは、見下ろし型マップで構成されたアクションゲームで、
左右のみならず奥や手前に枝分かれする道や、
隠された地下通路を探索し出口(関所)を目指していきます。

各ステージでは、クリア条件となる3つの通行手形を入手しなければ
出口を見つけても次のステージにはいけないので、
関所の探索と合わせてコレを集める事も同時にやっていかなければなりません。

通行手形は、地下通路、秘密の迷路、お店で入手が可能ですが、
ステージが進むにつれ複雑かつ広大なマップとなっていくので、
探すのだけでもかなり大変です。
勿論敵も存在するし、時間制限だってありますからね!

そんな広大なマップでは、敵や博打でお金を稼いだり、
そのお金を使ってお店でパワーアップや宿屋で体力を回復し、
時には住民と会話して情報を得たりするなどして攻略を優位に進めていきます。
大ボリュームなのはステージ数だけではなく、
色々なエッセンスを多数盛り込んだRPG的な要素も光るゲームなのであります。

がんばれゴエモン 博打
博打は旅の息抜きぜよ……。

104ステージ攻略どころか……。


1周すら攻略できない私にとっては、
全104ステージ攻略は途方も無く感じます。

ホント、ボリュームがありすぎてマップを探索するのも大変。
行けども行けども出口や通行手形が見つからない、
あげくに時間制限があるのもキツかったですね。。。

セーブもできないから、次の日また続きからという事もできず、
子供の頃は、

――これ、1日でクリアできるのだろうか……。

とか思ったものです。

ゲーム自体は、探索やキャラをパワーアップさせたりする楽しさがあって
面白いけど、システム的に長時間のプレイとなると厳しかったですね。

いつか、1周ぐらいはしたいものです。

がんばれゴエモン アイキャッチ

『がんばれゴエモン!からくり道中』評価:☆☆☆☆
発売・コナミ
ジャンル・アクション
発売日・1986年7月30日
定価・5,300


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posted by 二条ジョウ at 21:38 | Comment(0) | ファミコン レビュー | 更新情報をチェックする