「最近、人生ゲームや桃鉄も飽きてきたし、ほれ、みたことか!をやってみっか!」
と思っているボードゲーム好きな方に、同じくボードゲーム好きな私から一言。
このゲームだけは避けて通ってもいいんじゃないかなと。
小・中学生の頃はよくパーティー系ゲームで遊んでいましたが
間違いなくダントツで盛り上がらなかったゲームでございます。
我が友人らの感想と行動は、
「つまらないね」byH君
「頭が痛くなってきた」byHちゃん
「班遊びだったのに、なんか時間を無駄にしたね」byMちゃん
「クソだろコレ!!」byオギくん
「チェスト!!」
と、叫びながら、私のカセットを投げ捨てたS君。
みんな反応は芳しくはありませんでした。
それぞれ時代こそ違えど、その反応は殆ど同じ。
最近プレイさせたドゥ君だけは唯一、
「稀にみる良作!」
とか言って喜んでくれましたが、まぁそれは大人ゆえ。
子供の頃だったら、彼もキレていたことでしょう。
しかし、私的には結構重宝もしました。
何せ、出会った人物には片っ端からプレイさせて
その反応を見て楽しんでいた訳ですからね。
おっと、話が脱線しました。
とにかくこのゲーム、とんでもない代物と言う訳でございます。

ゲームの目的は、1999年にノーム星人が地球に襲来してくるので、
その時までに宇宙パワーを集めピンキー星人の科学力で地球を脱出する事にあります。
この宇宙パワーが何であるかは知りませんが
とにかく宇宙パワーがでかい人が勝ちと言う訳ですので
ゲーム中はコレを上げる事に終始します。
一見面白そうな設定ですね。
ここまでだったらまだ、楽しそうなゲームだな〜。
とも思えるかもしれません。
なにせ見た目も人生ゲームですから。
しかし、内容には雲泥の差があります。

まずマップ。
年代が変わろうが、何しようが、基本的には同じマップをグルグルと回るだけ。
一応世紀末が近づくにつれ、マップに多少の変化はあるものの、
最初から最後まで同じマップで競いあっていきます。
しかも世紀末が近づくにつれ、
マップにあるイベントマスが徐々に劣悪なものへと変わっていきます。
人生ゲームでは、良いマスと悪いマスの割合が大体バランスよくなっている訳ですが
このゲームだと大体90パーセントは悪いマスという訳です。
イベントはそれなりにありますが、殆どがノイローゼーになりそうなクレイジーイベント。
新興宗教ネタとかあったり、子供に求めても知らんよって感じです。
また、強制4人プレイな点もすさまじい。
ただでさえ長ったらしく、鬱要素満載だと言うのに1ゲームに膨大な時間を使います。
学校から帰ってきて、友達と2人でこのゲームをプレイしようものならば
その日はこのゲームのみで解散と言うオチになってしまいます。
(大抵は途中で自主的に強制終了しますが)
その他には、転職の為に偉く操作性の悪いミニゲームをプレイしなければならず、
一度フリーターになったら、最悪ずっとフリーターのままだったり
自キャラはランダム決定で大抵ハ〇だったりデ〇だったり
金は核シェルターだけを買うぐらいにしか使う道が無かったり
どんなに頑張っても、必ず新興宗教に加入させられたりなど色々ありますが
まぁ、スゲーんですわ。
で、あまりに凄まじかったので、今まではエンディングを見た事がありませんでした。
だってメンドクセー以外の何ものでもないじゃないですか。
でも、先ほど出てきたドゥ君の反応があまりにも良かった為に
つい調子に乗って最後までプレイしてしまったんですよ。
私も、
――実は面白いんだよコレ!
と、思うようにしてたらなんか面白くなってきちゃったし。
でもドゥ君は途中で、
「なぁ、いつ止める?」
とか言って歩調を乱し始めた訳ですよ。
さっき言っていた、
「稀にみる良作!」
は、やはりネタだったんだとか思いつつも、そこで止められる訳がないじゃないですか。
私だってようやく自分の心を惑わすのに成功したのに。
だから、強制的にプレイさせましたよ。
私も段々、面白くないものはやっぱ面白くないっていう風に気づき始めていましたが、
もう意地でしたねアレは。
で、プレイ約5時間。
感動のエンディングを迎えたわけです。
私が1位、ドゥ君が2位で。
でも、1位だろうが2位だろうが、結局全員バッドエンディングなんだけどね!!
そんな訳でこのゲーム。
システム的にもゲーム的にも難がありますが、話のネタに取っておくと、
10分ぐらいは盛り上がりますので、一度はプレイしてもいいかもしれませんね。

『1999 ほれ、みたことか!世紀末』評価:☆
発売・ココナッツジャパンエンターテイメント
ジャンル・テーブル
発売日・1992年9月18日
定価・7,300